自宅療養の日々⑤〜術後、初めての外来〜
退院をして、約3週間後。久しぶりに外来患者として、病院に行きました。術前は毎週検査に来ていたので、なんだか懐かしいような、不思議な気持ちに。
最初に病院に来た時、担当の先生が「待合室にいる人、ほとんどが術後だから。みんな普通でしょ?元気でしょ?だから大丈夫!」と言ってくれたのですが、私もついに「術後」の仲間入りです。
術前の人の希望にならねば、なんて思ったりして。
病理検査の結果を聞く前に、こちらも久しぶりの血液検査。手術した方の腕で、採血したらダメという教えを思い出し、左腕から採血をしてもらいます。もう、注射ぐらい屁でもありません(笑)
診察室に入ると、先生から「元気〜?」との言葉。果たして私は元気なのか?迷いましたが、元気と言えば元気。「健康じゃないけど、元気です」と答えると、「え〜!?今が人生1番、健康なはずだけど。悪いもの採ったんだから(笑)」と言われました。確かにそうか。
血液検査の結果を見せてもらうと、色んな数値のところに、「H」という「高すぎ!」の表示が。ビックリしてると、「まだ、身体に傷をおってる状態だから、色んな数値が正常じゃないんだよ」と、説明を受けました。
そうだったのか・・・まだ、傷を負ってるのか・・・。だったら痛くても仕方ないかぁと、少し気が楽になりました。「だったら健康じゃないじゃん!」と、心の中で叫びましたが。
傷口も経過良好とのことで(まだ、テープがついていたので「大事にしとるね〜」と褒められ?ました)、今後の治療の説明を受けて、この日の診察は終了しました。
あと何回、ここに来るのかなぁ?あと何年、ここに来るのかなぁ?そんなことを考えると、少し気が重くなりました。
でも、もう仕方ない!生きるためなんだから!自分に言い聞かせながら、家に帰りました。
2018年10月29日 たゆかのたわごと
自宅療養の日々④〜お花見満喫〜
療養期間は、ちょうど冬から春に移り変わる季節でした。
少しずつ暖かくなって、草木が元気になっていく季節だったので、それにつられるように、元気を取り戻せたのかな?なんて思います。
2018年は、桜の開花が例年より早かったこともあり、療養中にお花見を楽しむことが出来ました。
こちらは岡崎城の桜。
お天気も良く、のんびり桜を楽しめました。
考えてみると、ちゃんとお花見をするのは、何年ぶりでしょうか。毎年、年度の変わり目は忙しくて、私の「お花見」は、通勤中にチラッと桜を見るぐらいのものでした。
続いてこちらは、五条川の桜。家の近くなのですが、噂を聞くばかりで、実際に見るのは初めてでした。川にせり出す桜がダイナミックで、でも繊細で・・・。とても幻想的な景色でした。
こうして思い起こすと、術後の療養期間は、なかなかの充実ぶりです。薬や注射の副作用もなく、ある意味では元気な時期でもありました。
こうして、四季の移り変わりを目の当たりにして、今までの雑な生き方を、本当にもったいなかったなぁと思いました。
乳がんになって、失ったものもあります。でも、「春の訪れ」を感じられたのは、乳がんなって時間と心に余裕を持てたからかなぁと思います。
捨てる神あれば拾う神あり、とはよく言ったもこですね。
2018年10月28日 たゆかのたわごと
自宅療養の日々③〜続いていること〜
退院をして日常生活に戻って、1番に思ったのが、とにかく疲れるということ。体力が落ちているのか、精神的なものなのか、とにかく何をするにも疲れてしまうんです。
それこそ、顔を洗って一休み、ご飯を食べたら一休み、トイレでも一休み。行動する度に、休みを入れないと、次の行動に移れません。
というわけで、いくつか始めた生活における工夫の中で良かったもの、今でも続いているものを、ご紹介します。
①三つ折り財布
→ それまで、長財布にポイントカードやらを詰め込んでいましたが、とにかく重いしデカイ・・・。お金とクレジットカード、保険証、免許証ぐらいしか入れないようにしました。
②泡で出てくる洗顔料
→ とにかく省エネ。毎回泡立てるよりも、最初から泡で出てくるものが楽!
③22時までに寝る
→ 寝ようとしているというより、眠くなります(笑) 夜中に何度も目を覚ましてしまうので、早めに寝ることで、帳尻を合わせています。
④10分前行動
→ 例えば電車に乗る時、10分前には駅に着くように家を出ます。前みたいに、階段を駆け上ったり、駆け下りたりが出来ません。時間に余裕を持って、行動しています。
⑤入浴
→ この10年、シャワーのみで済ます日がほとんどでした。今は、身体をほぐすためにも、きちんと湯船に浸かるようにしています。
⑥有給休暇を使う
→ ワガママな話ですが、疲れそうなスケジュールの途中に、会社を休むようにしています。今まで、ほとんど有給を使うことはなかったのですが、よいペースで消化しています。
こうして見ると、たいしたことはしてませんね(笑) 。今が特別というより、今まで無理無駄が多すぎたのかもしれません。
昔みたいに元気になりたいなぁと思うこともありますが、今は今で幸せだなぁと思ったりもします。
2018年10月27日 たゆかのたわごと
新しい時間の使い方〜家庭菜園②〜
今年の夏は暑過ぎたので、野菜がなかなか育たなかったのですが、秋に植えた野菜の種や苗が、グングン育っています。
まず、1番大きなスペース。大根と春菊を植えました。春菊は、種をこぼすというトラブルが発生し、こんもり生えてしまいました💦
こちらが大根。家庭菜園の特権で、葉っぱも収穫出来るのが嬉しいポイント。シラスとゴマと合わせて、菜飯にするのが楽しみです。
こちらは、母のリクエストで春菊。生え過ぎなので、もう少ししたら間引きをして、サラダかお浸しにしようと計画中。
こちらは小松菜。夏は暑さと虫にやられて育たなかったのですが、グングン伸びてます。毎朝のお味噌汁に使う予定です。
毎日成長しているので、まるで自分の子供みたいに可愛い存在になってきました。
と言いつつも、1番の楽しみはやっぱり収穫(笑)。特に葉物野菜は、スーパーのものとは柔らかさがあります。
手軽にプランターでも育てられるので、実益を兼ねた趣味としてオススメです!
2018年10月27日 たゆかのたわごと
自宅療養の日々②〜続かなかったこと〜
療養中、どうしても暇なので、先生から禁止されているネットサーフィンをしてしまいました。
【検索ワード】
①乳がん、再発防止、食べ物
②乳がん、再発原因、食べ物
③乳がん、良い食べ物
こんな感じで、毎日情報を集めた結果、乳がん経験者の方が、みなさんたどり着く「人参」に到達しました。
人参ジュースが手っ取り早いかなぁとも思ったのですが、ミキサーを出すことを反対されたので、キャロットラペを毎日食べることに。
正直、面倒なのですが、生の人参を1番美味しく食べられるし、「身体に良いことをしている感」も手伝って、しばらくは頑張っていました。
でも、続いたのは1週間程度。全然続きませんでした(笑)
理由は、人参を千切りをする時の、右腕へのダメージが大き過ぎること。包丁でやるにしろ、スライサーを使うにしろ、人参はとっても硬いので、腕にかなり負担がかかります。
最初は、それでも健康のためだと頑張っていました。ですが、キャロットラペを作るたび、右腕が痺れてしまって、今度はリンパ浮腫に怯えることになってしまいます。
これは、あんまり意味ないなというか、意味を感じなくなってしまいました。
何事も、無理があっては続きませんね。これから長く続くサバイバー生活なので、無理のない範囲で、健康的に過ごしていきたいと思います。
2018年10月26日 たゆかのたわごと
自宅療養の日々①〜ながらリハビリ〜
退院したのが3月12日(月)。病理検査の結果を聞きにいくのは、4月2日(月)の予定だったので、それまでは自宅療養?家事手伝い? のような生活を満喫していました。
療養スタート時のスケジュールは、こんな感じです。
6時:起床 → NHK今日の体操 → 朝食準備の手伝い
7時:朝食 → 朝食の片付け、コーヒを入れる → 朝ドラ → 父親の見送り → 家中のカーテン、窓を開ける
9時:洗濯物を干す、フローリングにクイックルをかける
10時:母親とともにスーパーに買い物に行く
11時30分:昼食の準備の手伝い
12時:昼食
15時:おやつ
16時:散歩
17時:入浴、夕食準備の手伝い
18時:夕食 → TV鑑賞など
21時:就寝
まず、ラジオ体操が出来ない・・・ということに衝撃を受けました 。腕も回らないし、ジャンプすると傷に響くし、 怖くて胸は反らせないし。ちょっと体を動かすだけでも、すぐに息があがってしまい、体力もかなり低下していました。
洗濯物を干すのも一苦労です。もともとのききハンガーを取るのも 左手、洗濯ばさみも左手なので、 ボロボロ落とすし狙いは定まらないし・・・。 いつもの何倍もの時間をかけて、生活をしました。
クイックルワイパーですら、右手ではかけられません。全然スイスイいかない、というか力 が入らないんですよね。かと言って、左手でやってもイマイチ力が入 らず・・・。掃除になっていたか、分かりません(笑)
そして、いつもは母親が、2~3日に1回のペースで行っている買い物。こちらはリハビリを兼ねて毎日行くことにして、家の外に出る機会も作った りしました。
買い物に行っても、右腕に力が入らないので、車のドアも開けられないし 、トランクも閉めることができません。自分の身体、特に右腕が、 どれぐらい動くのか?どれぐらい動かしていいのかが分からないの で、怯えながらスタートした自宅療養でした。
最初は、どうなることかと思った日常生活ですが、3日もすると「 不自由な自分」に慣れてきて、それなりに動かしたり、それなりに 動いたりできるように。順応力なのか、回復力なのか分かりません が、人間ってすごいですね。
そうそう、退院初日に怯えていた、「シャワー」ですが、意外と平 気だったことを報告しておきます。
上手く表現できないのですが、傷を見た時に「あっ私は乳がんなん だ。手術したんだ」ということを、初めてちゃんと受け止められた 気がします。
「あるもんは仕方がない」という、ある種の開き直りだったのかも しれませんね(笑)
2018年10月25日 たゆかのたわごと
私、乳がんになっちゃった②〜友達への報告〜
時系列がバラバラですが、乳がんが発覚した時のことを書きます。
友達への報告というタイトルですが、私が乳がんだと知っている友達は、3人だけです。もともと、あまり友達がいないというのもありますが(笑)
1人は、今の会社の先輩。今は、転勤で他県にいるのですが、公私ともにお世話になっている大好きな人。私の中では、「同僚枠」ではなく、「友達枠」なんです。
もう1人は、ちょっとイラッとした時などに、「今日、一杯いかない?」と誘い合う大親友。大学の同級生なのですが、仲良くなったのは社会人になってから。何故か今、会社の場所も住んでいる場所も近く、週1〜4回のハイペースで会っていました。
最後の1人は、前職の同期の子。頻度は高くないものの、年に数回飲みに行ったり、旅行に行ったりしている友達。くだらないことも、ゲラゲラ笑いあえる、楽しい友達です。
実は、私も5年ほど前に、会社の先輩から「乳がんになった」と告げられた経験があります。その時は、驚きと哀しみ、心配、不安が一気に押し寄せてきて、何故か私が泣くという事態になりました。
そんなわけで、「告げられる側」の経験もあるのですが、そこに気を配る余裕もなく、普通にLINEで報告をしてしまいました。
「急な話ですが、乳がんになりました。すぐに命がどうこうではないですが、とりあえず近いうちに手術とかするみたいです」
めちゃくちゃ驚かれました。心配よりも、ビックリが大きかったのではないでしょうか。それぐらい、私は健康そのものというか、人並み以上にタフで元気だったんですよね。
「タチの悪い冗談では?」と、そう思ったかもしれません。本当に冗談だったら、よかったんですが・・・。
友達に報告してからしばらくは、「言わないでおいた方が良かったかな?」と、少し後悔のような気持ちもありました。負担になってしまったかな?とか、困らせたかな?実は迷惑だった?とか、心配になりました。
でも、誰かに言いたくて、でも誰でも良いわけでもなくて・・・とにかくその3人には、言わないということが、出来なかったんですよね。
今となっては、言って良かったなぁ、と心から思います。家族には言えないこと、家族だから言えないこと、他人だから言えることもあったかなぁ、と思ったりします。
もちろん、たった1人で病気に立ち向かっている方もいると思います。でも、私がもしたった1人だったら、どうなってただろう?と思うんです。
少なくとも、今こんな風にブログが書けるような状態では、心身ともになかったんじゃないかなぁと思うんです。
と思うと、友達や家族には、あらためて感謝感謝です。
2018年10月24日 たゆかのたわごと