治療中のつぶやき④〜人生捨てたもんじゃない?〜
乳がんが分かった直後の話です。
乳がんの診断が下ったのは、健康診断を受けたC病院。その後、乳がんの手術と治療が得意?な、K病院に行くことになりました。
その、K病院で出会ったM先生から言われた言葉で、ずっと心に残っているものがあります。
「乳がんになって、人生変わっちゃったでしょ? 最悪だ〜って思ってるでしょ? でも、そうでもないのよ。乳がんになっても、人生捨てたもんじゃないから」
その時は、人生真っ暗だと思っていたので、「捨てたもんじゃない」という言葉が、いまいちしっくりきませんでした。今でも、バッチリはまっているわけではありません(笑)ならなくてすむなら、なりたくなかったです。
でも「あっ今この瞬間は、捨てたもんじゃないかも」と思うこともあります。
仕事ばかりしていて、家に帰ったら寝るだけだった私が、家族と食事をして、テレビを見て笑い合っている瞬間。
私の身体のことなんて、気にかけてくれてないと思っていた上司から、温かい言葉をもらった瞬間。
家庭菜園で育てた野菜を収穫して、母親と一緒に料理している瞬間。
私の病気が分かった時、私以上に悲しんでくれ、私以上にいろんな心配をしてくれる人がいることが分かった瞬間。
些細なことですが、健康な時には見逃していたり、気づかなかったことばかりです。
そして、今の生活も辛いことが目立ってしまい、幸せなことはすぐに忘れてしまいます。
M先生の言った通り「私の人生捨てたもんじゃない」と心から思える日が、いつかくるかもしれない、そんな望みだけは持ち続けたいなと思います。
2018年11月21日 たゆかのたわごと