仕事人間からの大変身〜乳がんという経験〜
乳がんなる前の私は、とにかくめちゃくちゃ働いていました。朝から晩まで仕事のことを考えていました。
今の会社には中途採用で入り、かれこれ12年が経ち、営業の仕事をしています。朝は7時30分頃には出勤し、日中はほぼ外回り、定時後に事務処理をして、帰宅は21時。仕事が終わらなければ、土日も当然会社に行く、という生活でした。
もっと過酷な働き方をしている方もいるとは思いますが、こうして客観的に見ると、働きすぎでしたね(笑)
でも、当時の私はこれで良かったんです。仕事が好きだったですし、頑張ってる自分も、頑張れてる自分も好きでした。
お客さんから、100求められることに120で返したい!そんな気持ちで仕事をしていたように思います。
成果を上げて評価もされたかったし、心のどこかで、長時間働くこと、仕事に時間を捧げることを、誇りに思っていたのかもしれません。
そんな私が、乳がんになりました。
1ヶ月の休職期間を経て、職場に復帰。それだけの期間で戻れたことに、幸せを感じるよりも、「これからやっていけるのか?」という不安が拭えませんでした。
というのも、休職期間に私の後任がいたわけでなく、上司が一時的に代役を務めてくれていただけだったので、復帰後は復帰前と同じ仕事が、待っていたのです。
復帰直後は、体力もかなり落ちていましたし、ホルモン療法がスタートしてからは、乗り物酔いと二日酔いを混ぜたのような、そんな気持ち悪さが続きました。
心のどこかで、今まで通りに出来るかも、なんて甘いことを考えいたのですが、すぐに無理だと分かりました。
定時退社の日が続き、通院で休むこともありました。午前中は特に体調が悪く、仕事が思うように捗らなかったり、お客さんの話が頭に入ってこなかったり・・・。辛かったです。
お客さんには、休む理由を伝えていなかったので、「最近、働き悪いな」と思われていないか心配で、「わたし、乳がんなんです。サボってるわけでも、やる気がないわけでもないんです!」と、言ってしまいたくなることもありました。
そんな日を過ごしているうちに、気がついたんですよね。
「あれ?わたし、まあまあ出来てるじゃん」
当然、夜遅くまでは働いていないので、夕方以降にきた依頼の対応は、翌日になります。週末であれば、翌週になります。
でも、それでも何ともなかったんです。お客さんからクレームになることもないし、売り上げが落ちているということもありません。
じゃあ、今までのガムシャラは何だったんだろう?そう思いますよね。わたしも思いました。
え?もしかして無駄だった?
いや、そうは思いたくない(笑)1つだけ思い当たるのは、休んでいる間にも、私はたくさんの経験をしたということ。普通に働いていたら、考えもしないことを考え、人の優しさに触れ、辛い思いもしたし、嬉しい思いもしました。
その経験が、私を成長させてくれたのかな?と、思います。その成長があるからこそ、少しぐらい勤務時間が短くても、休みが多くても、「なんとかなるわたし」になれたのかな?と思います。
どんだけ前向きなのかと、笑われてしまいそうですね。
2018年10月15日 たゆかのたわごと